離婚後の養育費って平均いくら?慰謝料の相場は?養育費を払わない相手の対処法も

離婚後に継続して支払う必要がある養育費。養育費の金額とはどのように決まるのでしょうか?今回は、養育費の相場や平均金額、慰謝料や養育費を相手方が支払わない場合の対処法などをまとめてご紹介します。

慰謝料と養育費の違いとは?

離婚の際に請求できるお金には、次の2種類があります。

  • 慰謝料
  • 養育費

まずは、この2つの違いについてご説明していきます。

慰謝料とは

慰謝料とは、相手方の不貞行為が離婚の原因になった場合やDV被害を日常的に受けていた場合など、精神的苦痛を受けた側が相手に請求できる賠償金のことです。離婚の理由が相手にある場合には請求ができますが、離婚するからといって必ず慰謝料を請求できるわけではありません。

養育費とは

養育費は、子供の生活費や学費など、子供のための費用のことです。離婚する夫婦に未成年の子供が要る場合は、離婚後も相手に請求することができます。

養育費の支払いは親としての義務?

離婚する夫婦に子供がいる場合、どちらかが親権者となり、子供を育てていく必要があります。親権を持った親は、もう一人の親に対して、子供を育てていくための学費や生活費を請求できます。それが、養育費です。
親権をもたない場合にも、親として子供を育てるという義務はなくなりません。離婚した時、相手(母もしくは父)が「養育費は要らない」と言ったとしても、子供には養育費を請求する権利があるのです。そして、離婚した後であっても、子供から養育費を請求されれば、親には養育費を支払う義務も生じます。
親の責任として、離婚後もしっかりと養育費を支払い、子供を育てていくのが望ましいのです。

養育費の金額はどうやって決める?

養育費の金額は、

  • 支払う側・もらう側の年収
  • 子供の人数
  • 子供の年齢

などによって決めるのが一般的です。
夫婦間の話し合いによって決まらない場合は、裁判官の研究によって作成された「養育費算定表」とよばれる基準表を使って決定することもできます。実際に、東京・大阪家庭裁判所では「養育費算定表」が活用されています。
養育費の金額だけでなく、支払う期間(子供が20歳になるまで・大学卒業まで等)についてもあらかじめ決めておく必要があります。

養育費の相場はいくら?年収300 万、年収600 万の場合で比較

それでは、「養育費算定表」によって算出される養育費の相場はいくらぐらいなのでしょうか。養育費を支払う側の年収が年収300 万の場合と年収600 万の場合で比較しながらご説明します。
親権者が専業主婦・14歳以下の子供1人の場合
例えば、次のパターンで考えてみます。

  • 母親が親権者
  • 母親が専業主婦
  • 子供は1人で5歳

「養育費算定表」に当てはめる父親の年収によって、養育費の相場が異なります。

  • 父親の年収300万円(給与)の場合:4~6万円/月 程度
  • 父親の年収600万円(給与)の場合:6~8万円/月 程度

親権者がパート主婦・14歳以下の子供1人の場合
次のパターンで考えてみます。

  • 母親が親権者
  • 母親がパートをしていて、年収150万円
  • 子供は1人で5歳

養育費の相場は次の通りです。

  • 父親の年収300万円(給与)の場合:2~4万円/月 程度
  • 父親の年収600万円(給与)の場合:6~8万円/月 程度

養育費の金額は住宅ローンや学費なども考慮して決める必要がある

「養育費算定表」によって求められるのは、あくまで養育費の相場です。実際には、

  • 大学入学時には学費を負担してほしい(もらう側の主張)
  • 住宅ローン支払い期間は養育費の額を減額してほしい(支払う側の主張)

など様々な事情を加味する必要が出てきます。相場を参考にして決めるのも重要ですが、具体的な支払い金額や支払う期間などは、双方でしっかりと話し合って決める必要があるでしょう。

離婚の慰謝料の相場は?原因によって変わる?

離婚の慰謝料を請求できるのは、相手側が作った原因によって離婚に至った場合のみです。慰謝料の相場は50万円~300万円程度とかなり幅がありますが、これは離婚原因だけでなく、婚姻期間や生活の状況、子供の有無によって変わります。
離婚の慰謝料の金額はケースによって異なるため、

  • 浮気されたけどいくら慰謝料を請求すれば良いかわからない
  • DV被害を受けているが、けがの程度は軽く、慰謝料を請求できるかわからない
  • 浮気して慰謝料を請求されたが、妥当な金額なのかわからない

というように、慰謝料の金額について迷ったときには専門家に相談することをおすすめします。適切な金額の慰謝料を請求するためにも、不当な金額の慰謝料を支払わないためにも、弁護士などの専門家の意見が必要です。

相手が養育費・慰謝料を支払わない場合はどうする?

離婚の原因を作ったにも関わらず、慰謝料の請求を拒否されたり、子供がまだ幼いのに養育費を支払わなかったり、慰謝料や養育費の支払い義務から逃れようとする相手に困っているという方は少なくありません。相手が慰謝料や養育費の支払いを拒んでいる場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。

相手が慰謝料を支払わない場合

例えば、離婚の原因が妻(夫)の浮気である場合、妻(夫)とその浮気相手に対して慰謝料を請求することが可能です。しかし、場合によっては相手方が慰謝料の支払いを拒否してくることもあります。そんな時は、慰謝料の減額や分割払いを提案したり、慰謝料請求裁判を起こすといった手段があります。
いずれにせよ専門知識がなければ対応が難しいので、弁護士に相談することをおすすめします。

相手が養育費を支払わない場合

親権をもっていなくても、親には子供を育てる義務があります。養育費は法律によって守られており、相手側が養育費を支払わない場合には遅延損害金も併せて請求できます。また、相手の給与の2分の1まで差し押さえることができる、強制執行の申し立てを行うこともできます。
強制執行の申し立てには調停調書などが必要となるので、手続きは弁護士に任せるのが一般的です。

慰謝料や養育費を払わせるために弁護士費用はいくらかかる?

相手が慰謝料や養育費を払わない場合は、交渉や手続きに対して専門知識が必要になります。そのため、弁護士に相談するのが一般的ですが、気になるのが弁護士費用ですよね。
弁護士費用は、相談料として1時間あたり5,000円程度がかかり、着手金も10万円~30万円程度かかります。相手側から慰謝料や養育費の支払いが行われると、成功報酬が必要になります。

最後に

今回は、養育費や慰謝料の相場や、相手側が支払わない場合の対処法についてご紹介しました。離婚の慰謝料は相手側に原因がある場合のみ請求が可能で、養育費は、未成年の子供がいる場合に請求することができます。
いずれのお金も離婚後の生活のために必要な資金です。特に養育費は、子供を育てていくための大切なお金です。相手側が支払いを拒む場合には、相手側の給与を差し押さえることもできますので、まずは弁護士に相談してみるのが良いでしょう。
とはいえ、費用のこともあり、弁護士に相談するのをためらってしまうという方もいらっしゃるでしょう。「あゆむ」は、専門カウンセラーが無料で離婚相談を受けている一般社団法人です。慰謝料や養育費の金額や、相手側の支払い拒否について1人でお悩みの方、まずは相談してみませんか。専門カウンセラーがあなたにあった解決方法をアドバイスさせていただきます。相談は無料なので、お気軽にお電話ください。
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